キミは当て馬、わたしはモブ。
★
わたしと帝塚くんの関係は、いつも通り。
帝塚くんがうっとおしく絡んできて、わたしが適当にあしらうの。
そこへアカネちゃんと中村くんが加わって、ちょっと賑やかになる。
変わったのは……。
「て、帝塚くん。私、実は、前から帝塚くんのこといいなって思ってて……」
昼休み、お昼を食べたらすぐにどこかへ行った帝塚くんが怪しくて、付いてきただけ。
告白かもなって感づきつつも。
彼が告白される現場なんて、久しく見ていなかったのになぁ。
「最近どんどんかっこよくなってる気がして、それで、誰かに取られるのは嫌だと思ったの! 私と、付き合ってください!」
「……すみません」
即答だ。そりゃあ帝塚くんだって、失恋したばっかりだしね……。
わたしは物陰に隠れて、次に彼女がどうでるかを確認していた。
「やっぱり、クラスの人と……いつも一緒にいる女の子と付き合ってるんですか?」
……あ、わたしのことか。
端から見たらどんな感じなんだろう、わたし達って。
クラスメートは冷やかしの対象にしか思ってないだろうけど、他のクラスから見たらわたしって邪魔者かもしれない。
いじめられるような振る舞いはしてこなかっただろうから、面と向かって文句を言ってくる人はいないけど。
内心は、わたしのこと嫌いな人もいるのかなぁ。