キミは当て馬、わたしはモブ。




 わたしと帝塚くんの関係は、いつも通り。


 帝塚くんがうっとおしく絡んできて、わたしが適当にあしらうの。


 そこへアカネちゃんと中村くんが加わって、ちょっと賑やかになる。


 変わったのは……。



「て、帝塚くん。私、実は、前から帝塚くんのこといいなって思ってて……」



 昼休み、お昼を食べたらすぐにどこかへ行った帝塚くんが怪しくて、付いてきただけ。


 告白かもなって感づきつつも。


 彼が告白される現場なんて、久しく見ていなかったのになぁ。



「最近どんどんかっこよくなってる気がして、それで、誰かに取られるのは嫌だと思ったの! 私と、付き合ってください!」


「……すみません」



 即答だ。そりゃあ帝塚くんだって、失恋したばっかりだしね……。


 わたしは物陰に隠れて、次に彼女がどうでるかを確認していた。



「やっぱり、クラスの人と……いつも一緒にいる女の子と付き合ってるんですか?」



 ……あ、わたしのことか。


 端から見たらどんな感じなんだろう、わたし達って。


 クラスメートは冷やかしの対象にしか思ってないだろうけど、他のクラスから見たらわたしって邪魔者かもしれない。


 いじめられるような振る舞いはしてこなかっただろうから、面と向かって文句を言ってくる人はいないけど。


 内心は、わたしのこと嫌いな人もいるのかなぁ。

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