ネクロポリス



「ねえ、ネク

お昼食べちゃおーよ!

今日は天気もいいし、

バルコニーに出てみない?」




ブロッコリー畑を

見渡すバルコニーは、

所長室の奥にあって

普段は入ることができない。



無邪気にはしゃぐ

ミャンの姿を見て、

ネクは苦笑した。


思えば、著名な

ブロッコリー学者であった両親も

いつもなにかに

追われるようにして

研究に没頭していた。



(僕がこうして養成所で

研究をしているのも、

あの2人の

血を引く証拠かもな――)


そのとき、


弾むようなミャンの声が

ネクを呼んだ。




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