ホームズの子孫に嘘はつけない
「警察にチクったのか?この馬鹿女!!」

「お前一人じゃどうせ何もできないもんな〜」

「お前のこと、いい加減ぶっ殺したい」

嫌だ。怖い。私は体を震わせ、その場にしゃがみ込む。恐怖から涙が出てきて、声が外に漏れないように堪えて……。苦しくてたまらなかった。ホームズさんたちがいなかったら、大声を上げて泣いていたかもしれない。

しばらくしてからトイレを出てリビングに戻ると、「大丈夫?」とワトソン先生が心配そうに話しかけてきた。私は「はい」と作り笑いを浮かべる。

トイレから出て数分も経っていないのに、またスマホにメールが届く。もうやめて……!

「そうだ。ホームズ、事件がまた起きたんだが……」

レストレード警部がホームズさんに事件を話す。今度はどんな事件だろう。

「元同僚から嫌がらせのメールが届いていて困っているらしい。最近は「殺す」という内容も送られてくるらしいから、脅迫罪で起訴できるはずだ」

「またそんな事件か……」
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