23時41分6秒



「すみません。御馳走になってしまって。
 ありがとうございました」


「いえいえ、気にしないでください」


ハンバーグを食べ終えてレストランを
後にした私達は並んでゆっくりと
歩き始めた。

暫くの間、沈黙が続く。

さっきのカフェでの沈黙とは
少し違うような気がした。


「あの、お話があるのですが…」


「はい」


彼は突然立ち止まり、私の方へ
体ごと向けてきた。

私も立ち止まり同じように
彼と向き合う。


「まだお会いして2回目ですが、
 もっと貴女の事を知りたいです。
 色んな話をして一緒に色んなものを
 見て過ごして行きたいです。
 もしよければ、僕と付き合って
 もらえませんか?」


とても驚いた。予想外だった。


このまま人気のない場所に連れ込んで
全てを打ち明け彼を傷つけるつもりだった。

この復讐を一刻も早く終わらせて
私も楽になることを望んでいた。

時間をかけたくはなかった。


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