23時41分6秒

それから数日間、時折浅い眠りを
繰り返しながら、天井を見つめていた。


何度も、スマホから着信音が鳴っている。


私は応えなかった。

もうどうでもよかった。


渇いた喉を潤そうと、台所へ
向かおうとした時、スマホが鳴った。


万咲からだった。

その下には春乃。
そして、カフェからの着信履歴が
表示されている。


メッセージアプリを開き、春乃の
メッセージを開封せずに消す。

連絡先も消去した。迷いはなかった。


近いうちに、私の行いによって、
春乃は私から去って行くだろう。

それなら、春乃が裏切り、私から
関係を終わらせたことにしたかった。

良い機会だった。
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