23時41分6秒

「浮気、してますよね?」


「…えっ?」


「この間、見たんです。
 さっき食事した喫茶店から、
 女性と出てくるところを。

 女性は、あなたのことを突き飛ばしたり
 して、とても親しそうでした」


「彼女は、僕の部下で…」


「若月春乃」


「えっ、彼女を知っているんですか?」


「…私の友人でした」


「あの…僕は、彼女と茉莉花さんが
 友人だということは知らなくて…
 それに、彼女とは浮気していません」


「二人で会ったのは、あの日の
 一度だけですか?」


「…何度か会いました。
 あと、いろいろと相談に乗って
 もらうために、連絡も取り合ってました。

 でも、一切やましいことはなくて、
 …信じてほしい」


そう言うと、彼は深く頭を下げた。
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