23時41分6秒
彼は微動だにせず、虚な目で刃を見つめた。
「父の責任は、僕が取る」
「あなたの命ひとつで、責任は取れない。
お母さんと、復讐の心を持たない
綺麗な私は、もう二度と戻ってこない」
そう泣き叫び、彼のお腹を思い切り刺した。
白い壁に血飛沫が飛ぶ。
薔薇の花びらのようだった。
「………一瞬でも、僕のことを
愛したことがあった……?」
額に、冷や汗をかいた顔を歪ませ
私に問う。
メニュー