23時41分6秒
愛は、心の奥底に閉じ込め蓋をした。
彼の問いに答えようと、
心の中で蓋を回す音が聞こえる。
その音を掻き消すように、何度も刺した。
血で赤く染まった赤い壁は、彼と
初めてデートしたレストランの
ワインレッドの壁によく似ていた。
「………ま…、りか……さ…」
傷口を押さえていた、血で真っ赤に
染まった手で、私の左手を握った。
「……あい…して……る」
掠れた声で呟き、穏やかな笑みを
浮かべると、息絶えた。