23時41分6秒

カフェに訪れた、母の親戚により
高岡さんは母の死を知ったという。


その時に預かった、母の日記帳だった。



手のひらより少し大きく、錆色で
所々に傷がつき、白くなっていた。



「僕は…、お父さんは、
 茉莉花…が、生きている限り
 ずっと味方だよ。

 人様の人生を奪ったのに、生きている
 資格なんてない。

 そう思うかもしれない。

 それでもどうか、生きて償ってほしい。


 こんなことを願ってしまっては
 いけないことはわかってる。


 でも、またいつか茉莉花とあのカフェで
 一緒に働きたい。

 そして、毎朝コーヒーを
 淹れてあげたい。


 今度こそは、父親らしいことを
 たくさんしたい」
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