23時41分6秒



二年前の今日、母は死んでしまった。



毒々しさを感じる深い赤の月が
異様な光を放つ夜のことだった。



大学四年の終わりも近づいた頃
第一志望の就職先から内定を貰った。



早く母に報告したい逸る気持ちを
抑えながら母の待つ自宅に
帰った矢先のことだった。


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