23時41分6秒



母は普段と変わらない穏やかな顔で
眠っていた。


少し空いた窓の隙間から
まだ少し冷たい風が吹き
カーテンを踊らせ
近くで眠る母の長い黒髪を揺らす。


まるで、おとぎ話にでてくる
永遠に眠り続けるお姫様のように
美しくて見惚れてしまう反面、
どこか不安な気持ちになる。


しっかりと掛け布団を胸の上まで
かけてお腹の上で両手を重ねる。


それが昔から変わらない
母の眠る姿だった。


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