その人は俺の・・・
お昼過ぎ、夫を送り出した。
夫は機嫌が良かった。頬にキスをされ、軽く抱きしめられた。……はぁ。
来週、図書館。それを思っただけで待ち遠しくて堪らなくなった。ほぼ、一週間、…長いと思った。
昨日、戻ったばっかりなのに、着替えもそこそこにメールをしてしまった。自分でも驚いた。
樹君に訂正されて、我を忘れていたんじゃないかって、恥ずかしくなった。…浮かれていた。弾んでいた。
自分の生活にこんな気持ちが入り込んでくるとは思わなかった。
とにかく、今は、行く場所、やることなすこと全てが楽しい。楽しく感じるほど後ろめたさも増幅している。
…嘘はいけない。多分、遅かれ早かれ、生け花教室に行ってないことはバレてしまうだろう。それは時間の問題。
夫はもう、何かを察知しているのかも知れない。それが、突然帰って来たりしたことに関係していると、どうしても思ってしまう。正直怖い。こんなに大事にしてもらってる人に隠し事をしてるなんて。
頬を叩かれることくらいでは済まないかも知れない。
それでも私は続けられるかしら。
そうまでしても欲しいものなんだろうか。でも、会いたいと思ってしまう。
…樹君に会いたい。