その人は俺の･･･

・episode３ｰどうしたらいいのかｰ

出てはいけないキーワードが出てしまった。続けることはできない。こんなことになるかも知れないと、もっとしっかり考えておくべきだった。元々、無理があったんだ恋愛教室なんて。軽く受けた俺が悪い。しかも、人の心理も勉強したこともない俺が教えるなんて。
下手に刺激しただけで初めからリスクがあり過ぎたんだ…。

【電車かバスの移動中ですよね？
さっきは冷静じゃなくてすみませんでした。メールでは上手く伝わらないかも知れませんが、『誤認』してることを自覚して欲しくて連絡しました】

見てくれるかな…。多分、無理だろうな。気がついたとしても、今はそんな気持ちにはなれないだろう。

【好きだと言いましたよね。そうなってしまったのは、それは俺がしている『行動』にです。まさにドキドキすることにはまったということです。人物を好きになったのではありません。人物と行動は別です。好きというのは、その人がどんな人でどんな性格で、という部分を自分が知って理解してそういう部分に惹かれて好きになるものなのです。俺のことは何も知らない。知らないでしょ？良くとってくれているとするなら、一緒に居ても生理的に無理ではない人、というくらいの位置なんです、解りますか？俺に惹かれたのではなく、行動のみにです。俺は愛生さんがドキドキできるように行動していただけです。
愛生さんも今は冷静ではないと思います。だから、気持ちを落ち着かせてください。きっと行動だけにドキドキしてたんだって解りますから。相手が俺でなくても、されたことにドキドキしていたのです。そう理解できたら、恋愛教室は教室としては成立していたということになります】

おわ、長くなった。ダラダラ長いと読んでも頭に入って来ないかも知れないけど。

【さっきはもう終わりですと言いました。取り敢えず、しばらく保留ということにしておきましょう。落ち着いて冷静になったら連絡してください】

また始める訳にはいかない。それでちゃんと終わりにする話をしよう。愛生さんはもうドキドキする経験はできた。今は予想以上にパニックをおこした状態。俺もパニックだ。動揺してる。