オオカミさん家の秘密
第1章
【大神狼side】
ーピピピ…
「…んー…」
枕元に置いてある目覚まし時計。
その音が鳴って私は目を開けた。
「…ふあ…寝た気がしねえ…」
私の名前は大神狼《オオカミロウ》。
世界1の財閥、組の娘。
私は一卵性双生児の妹だ。
ーコンコン…
「…はい」
「おはよう、狼」
ドアの外にいるのは私の双子の兄の虎《トラ》。
大神虎。
名前だけ聞くと肉食動物ⅹ2だよね。
私は大神狼で1つの動物なんだけどさ。
「…おはょ。」
「相変わらず寝起き悪いなあ」
…昨日真夜中まで依頼こなして朝方帰ってきた妹にそんなこと言う?
「まあ仕方ないんだろうけど、今日学校行くだろ?」
…本音を言うと行きたくない。
でも行くしかない。
世間一般の16歳は高校生なんだから。
「…はああ…」
「大きなため息だな。」
声がだんだん遠ざかっていく。
朝ごはんにでも行くのか…
仕方なく私は起き上がってのそのそ着替え始める。
近所にある星蘭学園に通ってる私たち。
制服はセーラー服。
紺のセーラーに赤いタイ。
スカートは膝上10センチ。
まあ普通だよね。
私と虎は普通と違うところが何点かある。
まず最初はハーフだと言うところ。
母親がイギリス人。
そのためか、私たち双子はクリーム色の髪。
左右色が違うオッドアイ。
私は左目緑色、右が紫。
虎は左目紫、右が緑色。
そんなの学校で見せるわけないから黒のウィッグ被って黒のカラコンしてるけどね。
私のクリーム色の髪の毛は肩甲骨辺りまであるロング。
その髪を纏めてウィッグの中に突っ込む。
黒のウィッグを左に寄せて軽く縛って完成。
学校での私のスタイル。
頭が良くてちょっと可愛いいい子ちゃん。
それが私。
虎も私と同じようにしてる。
その方が偏見買わなくて済むからね。

「ーお嬢おはようございます。」
「…おはよう薫。」
組員の相澤薫。
昔からの馴染みで私たちの幼なじみ。
同じ高校に通ってる。
「狼早く食えよ。」
「うっさい。」
「お嬢昨日はお疲れ様でした。学校まで送りましょうか?」
「頼んでもいい?」
薫はニコッと笑って運転手に伝えに行く。
私は薫が用意してくれたサンドイッチを頬張る。
正直朝はあまり食欲無い。
けど、用意してくれたもの残すのは気が引ける。
「昨日どうだった?」
「大人しく死んでくれたよ。」

普通と違うところ2つ目。
私は大神家専属の殺し屋だ。

「まあちょっと抵抗されたけど。」
「報告は?」
「報告書なら提出済み。」
私は殺し屋。
虎は跡取り。
双子なのに正反対に育てられた私たち双子。
虎を跡取りに選んだのは父さん。
私にあまり関心を示さない。
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