オオカミさん家の秘密
赤目さんは柔らかく笑い、外に出ていく。
「赤目!どこに行くつもりだ?!」
父さんの声に赤目さんは少し振り向いて笑う。
「旦那様、私はもう、失いかけるのは嫌なんです。
この身が朽ちようとも、奥様とお嬢様を連れ帰ります。」
「赤目!!」
病人とは思えないほど、赤目さんは素早く移動する。
「…くそっ…桜…狼…」
「父さん…」
「許さんぞ…橋川…兄さん…」
父さんはソファに座り、頭を抱えて震える。
…父さんと俺が現場に行ったところで足手まといになるだけだ。
狼と違ってなんの訓練も受けていないのだから…
「虎…お前も行くがいい。」
「え?」
「心配だろう。」
俺は首を縦に振る。
「行ってこい。死ぬなよ。」
「…はい。」
俺は薫に父さんを任せて銃をもって橋川家まで向かう。
「なっ、坊ちゃん?!」
「狼は?!」
「…まだ、分かりません…」
訓練は受けてないけど、銃の訓練だけは受けてきた。
実際に使ったことは無いけど、使える。
「な!危険です!お戻りください!」
絶対助ける。
俺はただその一心で奥に突き進んでいった。
【大神虎side END】
【大神狼side】
「…チッ…」
うじゃうじゃと…鬱陶しい…
母さんは目の前にいるのに…
しかも橋川組長。
見覚えがあると思ったらウチの頭の兄じゃん。
「…これで全員。」
「狼…」
「母さん、助けに来たよ。」
私は母さんに手を伸ばす。
私を見ていた母さんは青ざめて叫んだ。
「狼!後ろっ!!」
振り返る間もなく激痛が背中に走る。
…くたばってなかったのか…
「…ひっ…なんで、なんで動けんだよ…」
「知りたいか?ははっ」
私は自分の背中を刺したやつに刀を向ける。
「小さい頃から慣らされたからかな。」
そのままぶっ刺す。
…これで全員。
「ほう…あれからだいぶ強くなったんだな。」
「まあね。」
「…狼…
お義兄様やめてください!
私のこの身なら差し上げますから、どうか狼には…手を出さないで…」
「母さん、私がそんなヤワに見える?
安心して、連れて帰る。」
ニコッと微笑む私。
母さんは涙を流して私を見つめる。
「さて、そろそろ私の母さん返して。」
「…無理だと言ったら?」
「この場で果ててもらうだけ。」
「ほう?」
私は刀を握り直し、額から流れ落ちてくる血を拭う。
ポケットから拳銃を取り出そうかと思ったけど、もう1刀腰から抜く。
「…そんなのありかよ…」
「ならお前も2刀流にすればいいだろ。」
「赤目!どこに行くつもりだ?!」
父さんの声に赤目さんは少し振り向いて笑う。
「旦那様、私はもう、失いかけるのは嫌なんです。
この身が朽ちようとも、奥様とお嬢様を連れ帰ります。」
「赤目!!」
病人とは思えないほど、赤目さんは素早く移動する。
「…くそっ…桜…狼…」
「父さん…」
「許さんぞ…橋川…兄さん…」
父さんはソファに座り、頭を抱えて震える。
…父さんと俺が現場に行ったところで足手まといになるだけだ。
狼と違ってなんの訓練も受けていないのだから…
「虎…お前も行くがいい。」
「え?」
「心配だろう。」
俺は首を縦に振る。
「行ってこい。死ぬなよ。」
「…はい。」
俺は薫に父さんを任せて銃をもって橋川家まで向かう。
「なっ、坊ちゃん?!」
「狼は?!」
「…まだ、分かりません…」
訓練は受けてないけど、銃の訓練だけは受けてきた。
実際に使ったことは無いけど、使える。
「な!危険です!お戻りください!」
絶対助ける。
俺はただその一心で奥に突き進んでいった。
【大神虎side END】
【大神狼side】
「…チッ…」
うじゃうじゃと…鬱陶しい…
母さんは目の前にいるのに…
しかも橋川組長。
見覚えがあると思ったらウチの頭の兄じゃん。
「…これで全員。」
「狼…」
「母さん、助けに来たよ。」
私は母さんに手を伸ばす。
私を見ていた母さんは青ざめて叫んだ。
「狼!後ろっ!!」
振り返る間もなく激痛が背中に走る。
…くたばってなかったのか…
「…ひっ…なんで、なんで動けんだよ…」
「知りたいか?ははっ」
私は自分の背中を刺したやつに刀を向ける。
「小さい頃から慣らされたからかな。」
そのままぶっ刺す。
…これで全員。
「ほう…あれからだいぶ強くなったんだな。」
「まあね。」
「…狼…
お義兄様やめてください!
私のこの身なら差し上げますから、どうか狼には…手を出さないで…」
「母さん、私がそんなヤワに見える?
安心して、連れて帰る。」
ニコッと微笑む私。
母さんは涙を流して私を見つめる。
「さて、そろそろ私の母さん返して。」
「…無理だと言ったら?」
「この場で果ててもらうだけ。」
「ほう?」
私は刀を握り直し、額から流れ落ちてくる血を拭う。
ポケットから拳銃を取り出そうかと思ったけど、もう1刀腰から抜く。
「…そんなのありかよ…」
「ならお前も2刀流にすればいいだろ。」