溺愛男と愛され女のその後
三年後 (亮side)
寒い冬が終わり、雪解け間近の春になった。
春といっても、まだまだ歩道の脇には雪の山が少し残っている。
ここへ移住して三年が経った。

はじめは文化風習に慣れるまで戸惑うこともあったが、玲奈と過ごす生活は
幸せいっぱいだ。
仕事も順調で、仲間にも恵まれている。
昨年は医学会ではちょっと知られた賞をチームで受賞した。
今後の脳外科の未来にも大きく影響を与えるだろう。

玲奈は変わらず可愛い奥さんだ。
この三年お互い仕事もしていて、時にはケンカもしたけど楽しい暮らしをおくっている。
そしてこの三年で一番の変化は、宝物が増えたことだ。
そう、父親になった。
息子が生まれた。 新(あらた)と名付けた。
もうすぐ一歳だ。
先日、自分で歩き出すようになってからますます目が離せなくなった。

新が六カ月を過ぎた頃、パパであるオレが育児休暇をとって最近は新の育児をしている。

こちらでは男性の育児休暇は当たり前だ。
公園へいくと、パパが平日昼間あそばせてるし、パパサロンもあって父親同士で
育児の情報交換をしている。

初めてつかまり立ちした時も、おしゃべりした時も、
玲奈は仕事中で喜びを体験出来ないかったことが悔しそうだった。

だが、初めて歩いた時にはママへニコニコ顔で歩いていった新に感動して涙していた。

仕事は忙しく充実し、子供から幸せをもらい我が家は更にパワーアップしている。
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