蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

先生は
この辺で1番の進学校を卒業した


大学も有名大学

なのに無職



先生に今まで聞きたかったけど聞けなかった



「なんで先生無職なの?」



夏の暑さのせいか
私の心の声は先生にも聞こえてしまった






一瞬、間があって
お互いに


え?


という顔になった





また間があって
下を向いて先生が話始めた


「オレ行きたい高校行けなかったんだ
たまたま成績よくて親に期待されて
あの高校行ったけど
ホントはA高でバスケやりたかった
だからオマエにはどんな理由でも
好きな高校行ってほしい」


先生が顔を上げて私の顔を見た



「進学校だからみんなが大学行って
オレもとりあえず大学進学したけど
やりたい事が見つからなかった
A高行ってたらどーなってたかって
そんなこと考えても戻れないのに
まぁ、どーもなってないと思うけど…」


そう言って先生はまた下を向いて
大きな手で後ろ髪を触った



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