蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
先生は
この辺で1番の進学校を卒業した
大学も有名大学
なのに無職
先生に今まで聞きたかったけど聞けなかった
「なんで先生無職なの?」
夏の暑さのせいか
私の心の声は先生にも聞こえてしまった
…
一瞬、間があって
お互いに
え?
という顔になった
…
また間があって
下を向いて先生が話始めた
「オレ行きたい高校行けなかったんだ
たまたま成績よくて親に期待されて
あの高校行ったけど
ホントはA高でバスケやりたかった
だからオマエにはどんな理由でも
好きな高校行ってほしい」
先生が顔を上げて私の顔を見た
「進学校だからみんなが大学行って
オレもとりあえず大学進学したけど
やりたい事が見つからなかった
A高行ってたらどーなってたかって
そんなこと考えても戻れないのに
まぁ、どーもなってないと思うけど…」
そう言って先生はまた下を向いて
大きな手で後ろ髪を触った