蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
「数学なら教えられるよ」
藤本くんに言われて、わからないところを聞いた
「私、何も教えられなくて…
一緒に勉強してても意味なくて、ごめんね」
「そんなことないよ
誘ったのオレだし…
佐藤と一緒にいると頑張れるから」
言ったあと
藤本くんが少し照れたのがわかって
私も少し恥ずかしくなった
藤本くんが彼氏だったら
会えなくてツライことなんてない
毎日、教室で当たり前に会えて
笑い合って
人混みで手を繋いだって
自然な光景
きっと
好きな気持ちを抑えることもしなくていい
だけど
藤本くんに告白された日からも
ずっと
私の中で瞬が消えることはなかった…
藤本くんと付き合ってみたら
瞬を忘れられるのかな…