蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「数学なら教えられるよ」

藤本くんに言われて、わからないところを聞いた



「私、何も教えられなくて…
一緒に勉強してても意味なくて、ごめんね」



「そんなことないよ
誘ったのオレだし…
佐藤と一緒にいると頑張れるから」


言ったあと
藤本くんが少し照れたのがわかって
私も少し恥ずかしくなった



藤本くんが彼氏だったら
会えなくてツライことなんてない


毎日、教室で当たり前に会えて
笑い合って


人混みで手を繋いだって
自然な光景



きっと
好きな気持ちを抑えることもしなくていい



だけど
藤本くんに告白された日からも
ずっと
私の中で瞬が消えることはなかった…



藤本くんと付き合ってみたら
瞬を忘れられるのかな…



< 141 / 318 >

この作品をシェア

pagetop