蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「こっちに、いつまでいるの?」


「日曜まで休みだけど
用がなかったら、明日帰る」


「そっか…」



「紅に会えると思ってなかったから
…よかった‥ありがとう」

瞬は、しみじみ言った




瞬は、私に会うために
帰ってきたんじゃない



私の勉強を見てくれるために
帰ってきたんじゃない




ここの道はいつも瞬が手を繋いでくれた道

思い出しながら歩いた




明日帰ってしまったら
次はいつ会えるかわからない

もぉ会えないかもしれない…



「…もぉ、私の先生でもないの?」


私、なに言ってるんだろ…
自分から遠ざけたのに



しばらく考えて、瞬が言った


「…また近付いたら‥離れられなくなる…
オレは…」



「…わかった‥」



オレは…


私もだよ…瞬


私も離れられなくなるのは
なんとなくわかってて…


でも会いたくて
ホントはずっと近くにいてほしい



離れたくない…






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