蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「…先生…」


瞬、じゃなくて
自然と「先生」と呼んだ自分に
少し驚いた



会えない時間が私の中で
もぉ、瞬じゃなくて
先生に戻していた



「…先生‥か…
元気だった?」


先生の声…


私は、頷いた



「…よく、ここ来てるの?

いつもこっちに帰ってくると
オレ、ここに来てた…

そうすると、いつも、紅いたから…
声は掛けれなかったけど…」


先生、やっぱり帰ってきてたんだ



「うん、たまに‥来てた…」


いつも先生探してた…



「…ごめん
なんか、今日、声掛けたくなった…」



先生の白いシャツに
空の色が透けて綺麗だった




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