蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

茜さんと亮さんは
亮さんの方が料理が得意みたい



「茜、料理大丈夫?」

亮さんが言った



「家事は、やれる方がやればいいの!」

茜さんは、そう答えていた



私が玉子焼きを作れるようになった話をすると
茜さんに今日教えてほしい!と言われた



亮さんの冷蔵庫から卵を出して
先に私が見本を見せた



「おいしい…
紅ちゃんいつでもお嫁に行けるね!」

茜さんが褒めてくれた



「茜が先に食べちゃ‥ダメだったんじゃない?」

亮さんが言った


ふたりは目配せした



「あ‥そっか… 瞬も食べる?」


茜さんが先生に箸を渡した



私は緊張した…

どぉしよう‥マズイって言われたら



「おいしい…オレの好きな味」

先生が言ってくれた



「次オレ!」

亮さんが言うと
茜さんが食べさせないようにした



「ダメ!
紅ちゃんの食べたら私のがまずく感じるから
先に私の食べて!
紅ちゃんのは、全部瞬が食べて!」

そう言って
茜さんは卵をかき混ぜ始めた



先生がおいしいって言ってくれた



こんなことでも、私は嬉しくなる




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