蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
「アレ?パンなんて珍しいじゃん!」
昼休み藤本くんに言われた
今日は、お弁当を作る気がしなくて
コンビニでパンを買ってきた
「…うん、たまに…」
勝手にだけど
私はきっと、先生のためにお弁当を作っていた
藤本くんに言われて始めたことだけど
私の将来の夢のダンナさんは
きっと先生だった…
きっとダンナさん喜ぶな…
先生はそう言ったけど
人ごとのように聞こえた
付き合ってるわけでも
将来を約束してるわけでもないんだから
当たり前のことなのに…
私は
お弁当を作る意味がなくなった気がした
「明日、オレの弁当も作って!
この前の唐揚げがいいな」
藤本くんが言った
「うん、わかった…」
先生にも唐揚げ食べてほしかったな