蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「紅?」


後ろから呼び止められた



声で先生だってわかった



「紅だよね?
目しか出てないから
違ったらどーしよって、焦った‥
久しぶり…」



「…久しぶり」

私はマフラーを首まで下げてしゃべった



またご飯に誘われるかな…って
少し期待した


その気配もなく
先生は足を進めた



「亮たち、いよいよ結婚式で
今週が独身最後!とか言ってたな」

先生は亮さんたちの話をした



「おめでとうって、伝えて…」



「あぁ‥言っとく」



手を繋いだ男女が私達とすれ違った


私は、すごく気になったけど
先生は、気にしてないか…



きっと手を繋ぐ相手がいたら
イルミネーションは
寂しくなんか感じないんだろうな…


私は冷たくなった手を握って温めた



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