蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「おもしろかったね」


私達は映画館を出ると近くのカフェに入った



藤本くんと向かい合って座った


「ピアス、かわいいね」

藤本くんに言われた



いつか
先生からお土産でもらったピアス



隣の席のカップルが
イチャイチャしてるのが気になった


制服だったから私達と同じ高校生かな…



「いいな…」

藤本くんが羨ましそうにボソリと言った



「藤本くんのこと好きな女の子
いっぱいいると思うよ」

私は、藤本くんの気持ちを知りながら
白々しく言ってしまった



「いっぱいの中に、佐藤は入ってないでしょ」

そう言って藤本くんは苦笑いした



「まぁ‥いんだ、オレ
クラスメイトの関係も悪くないと思ってる

入学式、席が隣になって
それからずっと好きだった
佐藤いたから、高校生活も充実してるし‥
今日も、来てくれたし

ありがとう、クリスマスなのに」



私はなんだか申し訳なくなった



私は藤本くんにいつも助けてもらってる



< 190 / 318 >

この作品をシェア

pagetop