蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
「おもしろかったね」
私達は映画館を出ると近くのカフェに入った
藤本くんと向かい合って座った
「ピアス、かわいいね」
藤本くんに言われた
いつか
先生からお土産でもらったピアス
隣の席のカップルが
イチャイチャしてるのが気になった
制服だったから私達と同じ高校生かな…
「いいな…」
藤本くんが羨ましそうにボソリと言った
「藤本くんのこと好きな女の子
いっぱいいると思うよ」
私は、藤本くんの気持ちを知りながら
白々しく言ってしまった
「いっぱいの中に、佐藤は入ってないでしょ」
そう言って藤本くんは苦笑いした
「まぁ‥いんだ、オレ
クラスメイトの関係も悪くないと思ってる
…
入学式、席が隣になって
それからずっと好きだった
佐藤いたから、高校生活も充実してるし‥
今日も、来てくれたし
…
ありがとう、クリスマスなのに」
私はなんだか申し訳なくなった
私は藤本くんにいつも助けてもらってる