蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
私と先生は一緒に電車に乗った
もちろん気まずい雰囲気で
「仕事、今終わったの?」
「うん、ちょっと買い物してきた
…紅は?」
「…映画観てきた」
「なんていう映画?」
淡々とした会話
先生は藤本くんのことは聞かなかった
映画のタイトルを答えると
「おもしろそうだね…
DVD出たら、借りてみる」
また胸が苦しくなった…
先生、もぉ私には興味ないのかな?
何も気にならないの?
聞いてほしいのは
映画のタイトルなんかじゃなかった
電車の窓に
泣きそうな自分が映ってた