蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
駅に着いて
今日もまた先生と
イルミネーションの並木道を通って帰った
せっかく先生に会えたのに
笑顔になれなかった
「亮たちの結婚式行ってきたよ
写真できたからアパートに見に来てって‥
紅も行く?
週末、バイト終わったら寄りなよ」
「うん…
茜さん、キレイだった?」
「うん…
幸せそうだった、ふたりとも」
「そっか…いいな…」
幸せそうなふたりが浮かんだ
「…紅は?
紅は、今日楽しかった?」
「…うん、楽しかったよ…」
「…それなら、よかった…」
先生がそう言った瞬間
涙が溢れて
私は手袋のまま涙をふいた
いろんな気持ちが込み上げてきた
先生を好きな気持ち
藤本くんの優しさ
こんなに先生が好きなのに
伝わらないもどかしさ
藤本くんの気持ちに応えられない自分
先生、どぉしたらいい?
近くにいるのに、苦しいよ…