蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「紅ちゃん、いらっしゃい」


茜さんが笑顔で招き入れてくれた



「結婚、おめでとうございます」


私は、近くの花屋さんに寄って
ふたりに花束を買ってきた


「ありがとう」



中に入ると先生の姿はなかった



「あ、瞬ね、さっきまでいたけど
用があるとか言って、帰ったんだよね
すれ違わなかった?」

亮さんが言った



先生に、嫌われたかな…

心配になった



「結婚式の写真みて〜」


茜さんがアルバムを持ってきた



茜さん、純白のドレスがすごく似合ってた


「わあ〜、綺麗…
…ふたりとも、幸せそう…」



「紅ちゃんは、何年後だろうね」

茜さんが言った



「瞬に友人代表のスピーチしてもらったんだ
わりと立派なこと言ってたな‥
就職しててよかったわ
無職だったら、呼んでなかったかも」

亮さんがそう言って笑った



アルバムから先生を探してしまう…


茜さんの友達もいた

やっぱり隣にいると気になった

たまたま隣にいるだけかもしれないのに…



先生は
私の隣に藤本くんがいても気にならなかった



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