蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
「ねぇ…紅ちゃん
変なこと聞くけど
紅ちゃんて、まだ瞬のこと、好き?」
急に茜さんに聞かれて焦った
顔が熱くなった
きっと赤くなってると思う
亮さんが私の方を見た
「急にそんな質問すんなよ!
紅ちゃん、困ってるじゃん」
亮さんがなんとなく私をかばった
「うん、ごめんね…
…
瞬に前に話した
私の友達を紹介しようと思うんだけど…
…
私は、紅ちゃんのことも気になって…
もし、まだ紅ちゃんが瞬のこと好きなら
やっぱり応援したいし…
と、思って聞いたの」
茜さんが言った
好きって言ってもいいのかな?
私は答えに困った
「…好き、だけど…
先生は、もぉ私のこと好きじゃないと思う…」
私は、うつ向いて答えた
亮さんが言った
「…いや‥瞬さ‥
まだ、紅ちゃんのこと、大好きだと思うよ
…
…いや、はっきり言うと…
瞬が言ってた
紅のこと忘れられないって」
「亮、口、軽いね…
男の友情って、そんなもんなんだね
確かに、さっき言ってったけど‥」
茜さんが続けて言った
え、先生が…?
「だって紅ちゃん、かわいそうなんだもん…
アイツがハッキリしないから!」
「さっきね
私の友達が好意を持ってるから
会わない?って瞬に聞いたの
そしたら、言ってたよ、瞬
紅に、まだ気持ちがある‥って
でも‥紅に他に好きな人がいるなら
邪魔したくないし…って」
私は、ふたりの話を黙って聞いてた
先生、藤本くんのこと気にしてたのかな…
そんな素振りぜんぜんなかった
私には、ふたりの話が信じられなかった
「先生に…
自分の気持ち、言ってもいいのかな?」
亮さんと茜さんはお互い顔を見合わせた
「うん、紅ちゃんの気持ち言ってもいいと思う
そうじゃないと、アイツわかんないと思う」
「それで、前みたいに
先生、どこか行かないかな?」
私は、それがこわくて‥心配だった
「んー、それは…」
「でも紅ちゃん!言わなきゃ先に進まないよ
ふたりを見てるともどかしくて…」
「もしまた付き合うってなったら
アイツもそれなりの覚悟するでしょ
もぉいい大人なんだから…
オレからも、なんとなく言ってみるけどさ」
「紅ちゃん、頑張って!」
茜さんと亮さんは応援してくれたけど
私は、複雑な気になった
先生、ホントに?