蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
瞬は仕事が忙しいみたいで
挨拶に来た日からなかなか会えない
毎晩、瞬から電話がきた
どんな話でもよかった
声が聞ければ私は嬉しかった
「今日、藤本くんに私達の話したよ
瞬のこと話したら
今度、家庭教師頼みたいって」
「…え、なんで?
オレ、刺されるの?」
「恨んでないって言ってたよ」
「やっぱ、すごいな
オレだったら相当恨むけど…
…
好きな子とも、気まずくなって
口もきかなくなるだろうし…
オレより、はるかに大人
…
いいよ、家庭教師
償いだと思って引き受ける」
「じゃ、次のテストからね
先生、お願いします」
「了解」