蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
「あ、そーだ!
オレ達、もうすぐ引っ越すんだ
それで、ここのアパート空くから
瞬、住まない?
もともと叔父さんのアパートなんだけど
海外赴任してて
その間住んでほしいって言われて
オレが住んでたんだけど
…
空き室にしたくないらしくて…
まぁ、瞬の実家近いし、
あんま意味ないだろうけど
家賃いらないから
管理する意味で住んでほしい」
「うん、考えてみる」
亮さんに言われて
瞬は、そう答えてた
「遠くに引っ越すの?」
私は茜さんに聞いた
「2駅先だから、また遊びに来てね」
「うん」
「紅ちゃん、よかったね」
茜さんが私の手を握って
しみじみ言った