蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「おいしいね
紅の作った料理
もっといろんなの食べたいな…」



「瞬が途中で変なこと言うから
麺が少し柔らかくない?」



「いや、それでちょうど良かったかも
紅、かわいかった
わかりやすく嫉妬してた」



「だって、瞬がいない時
ホントに辛かったし寂しかったのに
瞬には、いい人がいたと思うと…」



「だよな…
ホントだったら最低な男だよな

男なんて
離れてたら何してるかわかんないよ

じゃあ…隠し事するのヤダから
言うけど‥
こっちに帰ってくる前に
向こうの同じ部署の女の子に
帰らないでほしいって言われたんだ…」



「それって…?」



「その時、オレに好意があるのかな?
って思ったし‥
もう少し向こうにいたら
どーなってたかわかんなかったけど‥」



「瞬も、好きだったの?
その人のこと‥」



「いや…
紅のこといつも考えてたから
気付かなかった」



「ふ〜ん…」



「なんか、あやしんでる?」



「べつに…」



「じゃ、この話は、なかったことで‥
午後から出かけよ!
天気いいから」


瞬が話題を変えた




私も藤本くんに支えてもらってたし…


私達は別れてたわけだし


どーなってもおかしくなかったのに…




私達はまた
ここで出会った


私の隣に
瞬は帰ってきてくれた



< 245 / 318 >

この作品をシェア

pagetop