蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

➖瞬➖


紅がシャワーしてるあいだ
なんか落ち着かなくて
コンビニに出た



ホントに泊めてよかったのか…



4月にTシャツって
夜だし、寒い

外に出てから気付いた

スウェットのポケットに手を突っ込んだ



紅もパーカー1枚だし…



寝る時って…


紅、ベッドで寝ろよ
オレ、ソファーで寝るから

とか、言ったほうがいいのかな…



付き合ってるのに‥変か?



寝ないっていう選択肢もある

それか紅がいつの間にか寝てしまうまで待つか




適当に食べ物を買って
アパートに戻った



ドライヤーの音がした

オレが帰ってきたのに気付いて
紅がドライヤーを止めた


「どこ行ってたの?」


「ちょっとコンビニ」



ぶかぶかのパーカーを着た紅がかわいかった

パーカー1枚だから
制服のスカートより短かった

気になったけど
あまり見ないようにした



「瞬、寒そう
寒かったでしょ」


そう言って紅がドライヤーの温風を
オレにかけてくれた



「髪もまだ少し濡れてるよ」


髪も乾かしてくれた


なんか照れくさい


紅、髪を乾かすのに夢中だけど
顔が近い

かわいい



洗い髪が無造作で大人っぽく見えた

…キスしたい



下に目をそらすと
動く度にパーカーから出る脚が気になった



ドライヤーの音が止まった


「はい、乾いたよ」


「ありがと」



オレは紅を抱きしめた



「きゃっ」

急で紅がびっくりして声をあげた



「温かい…紅」



ヤバい…

今日は
こーゆー雰囲気に持ってかないようにしよ


すぐに紅を離した



「なんか食べる?
紅が食べれそうなの買ってきた」



「うん」



紅は
少し恥ずかしそうに
ドライヤーを片付けた



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