蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

➖瞬➖


シーツが冷たくて
そのせいか、いつも冷たい紅が温かく感じた



「瞬に1番におめでとうって言ってもらえて
嬉しかった
だから、泊まりたかった
瞬に直接言ってほしかった」

紅が嬉しそうに言った



「うん」



こんなに喜んでくれるなら
やっぱり泊めてよかったんだ



少し沈黙があって
紅がオレのTシャツを引っ張った



「…瞬…」



「ん?」



紅は、きっと待ってる

オレが触れるのを…



「瞬…いつも大切にしてくれて
ありがとう
私、18歳になったよ
…だから…」



紅の言葉を最後まで聞かないまま
オレは
紅のパーカーのファスナーをおろした



紅が恥ずかしそうにした



「紅、好き…」



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