蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

「オレ、好きだよ、紅のこと」

瞬が先に口を開いた



「じゃあ、なんで?
なんで、キ…」



「?…なに?」



「なんでもない…」



瞬は優しく問いかけてくれたけど
私は言葉を飲んだ



なんで、キスしてくれないの?


そんなこと、言えない…




「じゃ、おやすみ」

いつものように
私の家の前まで送ってくれた



嫌な空気のままで私は手を振った



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