蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…

お兄ちゃんが友達の家に泊まりに行く日は
瞬は、お兄ちゃんの部屋でひとりだった


瞬、寝たかな…


私はこっそりお兄ちゃんの部屋に行った




「わあ、びっくりしたー
貞子かと思った」

瞬が起き上がった



「なに?」

瞬が素っ気なく言った



「一緒に寝たら、ダメ?」

私は小声で言った



「ダメ!戻って!
お母さんと約束したから」



「ちょっとぐらい、いいじゃん!」

私は拗ねた



「ちょっとじゃ済まなくなる…」

瞬も小声で言った



「ホントに、隣で寝るだけ」



私が言うことを聞かないので
瞬は、諦めて横になった



私もその隣で横になった



瞬は私に背を向けた


イジワル!



身体が布団からはみ出して痛いから
瞬に近寄った



「暑いから、近寄るな」

瞬が言った



もぉ!

私も瞬に背を向けた


ちょっとぐらい
イチャイチャしたかったのに…



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