逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
あれこれ考えていたら、バスルームから声が。
「着替え、オレのトレーナーだけど良かったら着て。」
「ありがとう…。」

ブカブカのトレーナーに、短パンはウエストが大っきいから、ギューっと紐を締めてどうにか着た。
リビングに行くとちゃんとTシャツを着てくれてたから良かった。

こんなに緊張するなら自分の部屋へ帰れば良かった。
サイズの合わない服に、スッピン晒して、恥ずかし過ぎる。
しかし、蓮さんはお風呂上がりで、数倍増しで色気が。

「はい、どうぞ。ハーブティーにしてみた。落ち着くよ。
デザートにイチゴもどうぞ。あの姉からの差入れ。」

「ありがとう。…、おいし。」

そういうと、にっこり微笑んでくれた。
思わず、私もつられて微笑んだ。

ギスギスしてた朝、思いっきり楽しんだ日中、ホッと和んでる今。
いろんな感情でどういう態度が正解か分からなくなる。
カップの中のお茶を見つめながら飲んでいたら、だんだん視界が霞んできて、ヤバいと更に俯いた。

「今日は楽しかったよ。久々、若者になったよう…、って、どうした?!
具合悪い?酔った?」

私は
何も言えず、頭を横にブンブン振るしか出来ない。

「嫌だった今日一日? オレはすごく楽しかった。学生みたいに芽衣とデート出来て、また行きたいって思った。今も芽衣がうちにいるなんて幸せだよ。」

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