逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
彼の運転する車で東京へ向かう。
三時間かけて探しに来てくれたということはうれしかった。

他に気持ちがあれば来てはくれないだろうし。
気になることはあるけど、彼を信じたい気持ちが大きいから。
不安は昔より大きいけど、大丈夫と心に言い聞かせる。

無鉄砲な行動に彼は呆れてるだろうか。
会話も弾まず、久しぶりのこういう雰囲気。
「ポニー…。」

「えっ?」

「ポニーテール、久しぶりに見た…。」

「そうかな…。大人になってからあまりしてないかもね。変?」

「イヤ、よく似合う…。」

それ以上、続かず…。

気まずいはずなのに、私ってば途中で寝ていて、車が止まり気が着いたら
高級旅館だった。

「着いたよ。温泉入って帰ろう。」

柾木家の御用達だろうか。

プライベートが守られた旅館。各人がゆっくり楽しめるような。
何より、庭が素晴らしかった。

「うわー。素敵なお庭。」
思わずはしゃいでいた。
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