逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
この前のデートで秘書らしききれいな女性と仕事でいっしょだったこと。

デートの後、仕事があるって部屋に戻ったのに、
偶然コンビニへ行ったら、その女性と会って、車ででかけたこと。
私服だったこともあって不安に思ったこと。


「はー。ほんと、バカだ、オレ。断片的に見ると、オレでも不安になるわ。」
頭をクシャとして後悔を滲ませる。

「でも、フランスに逃げたときと同じにはしないって思った。
絶対に信じてるし、あの時とは違うって。もっと信頼し合えてるって。
だから、聞かなかった、怖いのもあったし。私のヤキモチなだけだって…。

蓮さんのことが気になるから、悪い方へ考えてしまうし。
気持ちを前に進めるためにも、私がやりたいことをやろうと思って…。
でも結果、心配かけてるんだけどね…。ダメダメだ。」
ほんと、そう。面倒くさいお子様だ。


「芽衣。言い訳、信頼回復、後でさせて…。とりあえず、キスしたい…。抱きしめてたい。」

言い終わる時には、腕を引かれてた。
あっさり彼の胸の中に収まり、肌けた浴衣から彼の心臓の音の高鳴りが聞こえた。
優しいキスからドンドン深くなって、息苦しくなったころ、部屋のノックが。
食事の用意が出来たのだろう…。

「残念。続きは食後な。」
ニヤリと笑みを向け

ポーカーフェイスで中居さんを受け入れ、私は火照る体を、庭を見ながら誤魔化した。


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