逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
たくさん並んだお料理。
目で見ても楽しめる。美しい食材たち。

「食べるのがもったいないくらい。」

「でも、聞きたい、芽衣の美味しい〜」

「それじゃ、ただの食いしん坊じゃない。でも、美味しい〜。」

あんなに不機嫌で不満そうだったのに、今はすごく機嫌よくしている蓮さん。
黙って居なくなってもっと怒られるかと思っていた。


「芽衣、これ美味しい。はい、あーんして。」
ってすごく恥ずかしいのですけど…。

すごく甘やかしてくる。

もう怒ってないの?
伺うように見つめると、

「ごめんな。不安にさせて。でも、あの人は誓って芽衣が心配する人じゃない。
オレの秘書は男性の橘さんって人で、芽衣が見た人は秘書室全体で働いている秘書で本間さん。
オレの姉の友人で、すでに結婚していて、一児の母。
時々仕事をサポートしてくれる。まあ、姉の友達だから、昔馴染みだけど。」

「お姉様の友人…。」

「夜、芽衣が見たのは、本間さんのところで飲んだくれてるオレの姉を引き取る為。
姉貴、最近旦那さんとケンカして飛び出してくるんだ。
あっちこっちで飲んでいて。」

「じゃあ、心配することはやっぱりない、のよね?」
彼を見つめる。
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