逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「違う!俺は心からプロポーズしたし。そのつもりだった。」

「九条の娘だから?都合が良かった?」

もう言ったところで変わらないのに、こんな風になるためにあったんじゃない。

「言い訳だけど。彼女は大学時代の友人で、仕事で再会したんだ。
ストーカーにあってて困ってるから、彼氏のふりして大阪まで来てって。
ホテルまで同行したのも、欺くためで。
だから部屋にも入った。

なのに、彼女が迫ってきたから、俺の方が騙されているって気づいて、すぐに部屋を出た。
それが週刊誌に撮られて…。

会ってる時精神的におかしいと思ったんだ。だから、ストーカーで辛い思いをしてると思うと、みんなに言えなくて…。

結局、お兄さんの録音で彼女の自作自演だった。」

「そうなんだ…。私も聞かなかったもんね。」

「その後、芽衣が駅で怪我をして…。防犯カメラに突き落とされていて。彼女が浮上した。
すでに逮捕されている、仕事ももう無理だろうな。」

「ウソ…。わざと。怨まれてたの、私…。」
あの時の感覚でガクガク震えた。

「違う!芽衣じゃない。俺だよ、憎まれていたの。」
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