逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~

「大学時代付き合いを断ったんだ。
サークルが一緒で、モデル活動始めたばかりの子で、俺は君に会ったことあったから理想の子とは違っていて、特に興味がないから断った…。
最近わかったけど、彼女の親はうちの下請け会社で、卒業後倒産したらしい。
モデルの仕事で偶然再会した。
今ならと思ったみたいだけど俺には君がいて、それでも自分の方が魅力があると思ったみたいだ。
だから、俺を振り向かせるって思い込んで。。
実際はモデルの仕事も上手くいってなくて、少し病んでた。

芽衣にまで手を出すなんて、全て俺の行いのせいだ。
芽衣が一歩間違えれば命も…って思うと連絡が取れなかったし、しかも怪我して、記憶も無くして…。オレに婚約者の資格はない。」

「他人のふりして会いにきたのはどうして？」

「合わす顔がなかったけど、やっぱり心配で、会いたくて。
でも笑顔を向けられると申し訳なくって。
ただ、あの女性はその頃には証拠が決め手で逮捕された。
起訴されたけど、病院へ入院して家族が面倒見てるみたいだ。」

「彼女に会ったの？」

「会うわけない！芽衣を傷つけて許せるわけない。
弁護士を通じて、オレは一生憎むって伝えた。」

「憎むって…。蓮さんは辛くないの？同級生でしょ。ましてや、病気。」

「絶対に許せない。友達でもなんでもない。」

「そう。それは私のため？だったらお断りです。
彼女を憎むのは私だけで十分。怪我したのは私だもの。私が許す時が来ても、あなたは一生憎むの？
そんなの悲しいわ。」