逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「ニューヨーク?誰が?」

「私が。プロジェクトリーダー。しばらく帰って来ない予定。」

「は?聞いてないし!」

「言ってないし。今言ってるし?」

「しばらくってどんくらい?」

「2年、5年、永住?わかんないよ。状況は変わるでしょ。
私達だって、今頃結婚してたはずなのに、今はお友達だし。」

「どうやって暮らすんだよ。一人だと危ないだろ。」

「大丈夫だよ。九条の娘だもん、豪華マンションセキュリティばっちりよ。
始めロベルトとルームシェアもいいねって言ってたんだけど、さすがにまた週刊誌が騒ぐと大変でしょ。だから、それは無し。」

「ロベルトってあいつもニューヨークにいるのか!なんだよ、それ。尚更危ない!
ルームシェアなんて絶対ダメだぞ!!」

「大丈夫よ。あのお兄ちゃんが信頼してるのよ。
むしろ彼がいるからニューヨークOKしたんだから。」

「…。芽衣。ホント行くのか?ちょっとは俺と離れるのイヤじゃないの?」

「えー。チャンスだし。会おうと思えばすぐじゃない。それとも友人だと会いには来ない?」

「絶対行く!」
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