逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「あー、プロポーズOKもらって抱くつもりだったのに、がっついてしまったなあ。
芽衣がOKしたから、大成功か。」

「このジュエリーってもしかして。」

「そう、芽衣に返品されたの、ネックレスに加工してもらった。
で、こちらが今回のです。」

そう言って、薬指にはめてくれた。前回よりもさらにグレードアップしているのは素人でもわかる。

「ありがとう。すごくうれしい。
サインもらえたってことは、みんな賛成してくれた?」

「もともと、芽衣のご両親は反対してなかった、お兄さんは手強かったけど。
オレの親父が半端なおれじゃ、大事なお嬢さんをもらえないって。
もっと自分を磨けってすごい剣幕で、やっと仕事で少しは認めてもらえて。
今日このタイミングでさせていただいたわけです。」

「なるほど。」

「最近はあまり連絡くれないし、いよいよ勝ち目無いのかと焦っていたよ、正直。
姉貴はオレが一人前になるの待ってたら、じーさんになってるわって、まあ口は悪いけど後押ししてくれて…。」

「連絡は自然と減ってたから、だれか好きな人がもういるのかもって…思ってて…。」

「それで遠慮してた?」

「それぞれの道があるのかなって。だから他所に目を向けてと、考え始めてた…。」

「はー。他所にだれか候補がいた?」
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