逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
お昼休みになり、食堂にてランチ。

二つ上の久美先輩と、一つ下の落合君と一緒にテーブルを囲む。
今日は仕事も順調でお昼休みにも余裕がある。
この会社は福利厚生もよく食堂もメニュー豊富で美味しく人気だ。
私はきつねうどんとサラダ、デザートにプリンをつけた。

「芽衣ちゃん、きつねうどんとプリン好きだよね。」

「ここのお出汁関西風で好きなんですよ。プリンも昔ならではの硬いプリンだし。」

「なんか、いつも落ち着いてますよね、芽衣先輩って。」

「地味ですみませんね。まあ、たしかにうどん食べてると落ち着くかな。」

「芽衣ちゃん、たまにはコンパとか刺激のあるとこ行きなよね。今度かっこいい人
集めてやろうか。受付とか、営業部の女子とか入れて。」

「その中で、とてもカップル成立する自信はありません…。」

「そんなこと言わないの。メガネ外して、おデコ出したらかわいいお顔なんだから
出し惜しみせずもっと露出しなさいよ。」

「いや、静かに会社生活をおくることを希望してますんで、ましてや受付の美人さんと
対抗するなんて勝ち目ありませんし。」

「そんなこと言ってると、あっという間よ。若さを武器に出来るのは今だけ。」

「確かに。」

うどんの出汁を啜る。うん、美味しい。

「ところで、海外事業部に配属される人の話聞きました?」
と落合くんが話題を変えてくれた。

「噂で聞いた。来週着任とか。」

「うちの他の子会社のフランス支社にいたらしいけど、今度は海外事業部で勤務するらしいです。」

「話だけ聞くとエリートって感じだね。まあ、そういう話題は女子は大好きだから。
情報入ったらまた教えてね、落合くん!」
と久美先輩。


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