逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「すみませんでした。」
頭を下げた。

「いや、俺の方こそ。きちんと伝えてなかったのが悪かった。ごめんね。
待ってくれてありがとう。」

目尻を下げて言われた。

「私の方こそ。待ってくれてありがとうございます。」

数秒、沈黙が続き彼が口を開いた。

「デート、まだ有効だよね?
せっかくだし、動物園行かない?」

「はい。行きたいです。」

「じゃ、これ飲んだら行こうか。」

それから、お店を出たら手を引かれていた。
繋がれた手が恥ずかしくもあったけど、嫌ではなくてそのまま動物園へ入場した。

「動物園って何年ぶりだろう。。。」

「オレも。小学生以来かも。でも、珍しい動物が結構いっぱいで面白い。」

「ほんと、名前も知らない動物いっぱいいます。」

それから、いろんな動物を、あーでもないこーでもない言いながら見学した。
動物園って大人になってみる方が、子供の時よりずっと面白いと思った。

少し興奮していたかも。
九条のお嬢さんというイメージとはかけ離れていたかも。

気持ちを律する。
< 36 / 213 >

この作品をシェア

pagetop