逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
大事にされている、愛されているって実感していた。
あの日までは。
サークルの部屋で先輩達が集まっているのを偶然きいた。
九条の娘なら就職に有利だと思ったのにって。
ガードもかたいからつまらないって。
挙句に前の彼女とも続いていて。
結局、利用しようとしていただけだった。

それから、付き合いを辞めたいと電話で言ってあっさりエンド。
先輩は卒業して顔を合わせることはなかったから良かったけど。

だから、バカなお嬢様ではダメなんだと、自分のスキルを磨いて
社会に出ていかないとって、就活しようと思ったのも一因。
まあ、結果的には世間が少しは見えるようになったけど。


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