逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
それからフランスへ電話をかけまくる。時差もあるし、そう簡単に教えてはくれない。

「柾木本社は状況は掴めてますか?
法務部が情報収集してないわけない。
株は買い占められると、芋ずる式に失います。
すぐに株式を止めて、様子を。
不動産関連だけでなく、他業種の関連会社にも動きがあるかもしれないですね。」

「君は一体どこでこの情報を。」

「今は、そんな話をしている場合ではありません。
他の情報源も探りましょう。」


それから柾木不動産、社長にも耳に入れた。
秘書室も動き出して情報収集にあたる。

一時間しても情報が上がってこない。
どうしたものか。
そうだ。あの人なら分かるかも。


「課長、知り合いに情報収集してみてもいいですか。
この事業とは全く関係ないですけど、情報通なんで。」

「ああ。やってみてくれ。」

お前なんだって表情だけど、今は会社の一大事。

携帯から電話をかける。

『久しぶり。芽衣です。ええ。ええ。今日は頼みたいことあって…。
じゃ、わかったら至急連絡して。』

詳細を説明して秘密裏に情報収集したい旨を伝える。

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