逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
仕事を終え、行かないと言ったけど結局自宅で着替えてお店に行った。

彼はすでに来ていて、個室にいるらしい。

「お待たせしました。」

「やっぱり来てくれた。芽衣ちゃんはやっぱり優しいね。」
上機嫌だ。

「あのヒミツを聞きに来ただけなんで、早く教えて下さい。」

「慌てない。まず、デートに乾杯!」

それからコース料理を食べた。
質問される。どうして偽名まで使って入社したのか。
聞かれたことに答えると肯定も否定もせず、ひたすら聞いてくれた。
正直聞いてもらえてうれしかった。
肯定される様なことではないことは分かってるし、かと言って否定もされたくない。
考えて偽っていたのだから。

彼の感想はシンプルだった。
「分からなくもない。
自分以外の自分になりたいこともある。」


「ありがとう。でも、正直もう限界でした。
仲良くなった同僚に対する罪悪感。」
考えると落ち込んでいた。


雰囲気に流されない様に、ニッコリ笑って、

「オレのヒミツ知りたい?」

じっと見つめる。
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