逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「ヒミツびっくりした?
これで芽衣はもう運命共同体だ。」

「なんかヒミツの量が増えただけかも。」


「そう?仲良く共有しよう、芽衣ちゃん。
二人で半分こ。」


なんか、可愛い顔して言ってるけど、この感じ既視感が…。

それからお店を出て帰ろうとすると、

「じゃ、行こうか。」

いつもみたいに呼んでいたタクシーに乗せられるのかと思っていたら
同乗してきた。
えっ、お持ち帰りするつもり?
いくら気持ちが通じたとはいえ、まだ、そんな…。
あれこれ情報暴露され混乱しているし。

どんどん走行していく。
ここから10分くらいの距離。
着いたところは私のマンション。
どうして知ってるの?

慣れた様子でエントランスに入っていく。
コンシェルジュに会釈をされ、エレベーターへ乗り込む。

「何階だっけ?」
「26階です。」

ボタンを押した。うちに来るの?
いや、なりたての彼氏を呼べる部屋ではない。
時々ハウスキーパーさんが来てくれるけど、今朝バタバタ出てきてるから、人様に見せられる部屋とはいえない。
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