逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「なっ。名前を言え。
クビだクビ。クビにしてやる!」

「クビ上等です。ちょうどいい機会だし私のクビくらいくれてあげるわ。」

私の開き直りな態度に怯むと

「上を連れて来い、上を。」


そこへ現れたのは、
「立て込んでるとこ悪いが、アポイントがあってね。」

数人を従えて受付へやってきたのは、



「お、お兄ちゃん!」
しまった!思わず言ってしまい口を抑える。

「芽衣、お兄ちゃんなんて言っていいのか?メガネ外れてるから、混乱してるのか。」
ニヤリと笑う兄。
絶対、状況を楽しんでいる。

そして、ボンクラ次期社長に向かい、


「うちの妹が失礼したね。
この子の上といえば上のものだが、君の上でもあるようなので、大事な客先で上のものとしてこの場を納めなければならない。」

ボンクラはキョトンとして、
「あんた誰だ。」
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